お相撲さんへ

大変な事態になりましたね。
八百長がほんの一部であって欲しいと願うばかりです。
ほんの一部分だったとしても、全体が疑惑の眼で見られているという事実は否めません。
これから先は、皆さんが行動で示していくしかありません。
あなたを心底信じてるご両親、友人知人、一緒に応援してくださる講演会の方々のためにも。
そして何より「国技」という名に恥じぬようがんばって欲しいのです。

私の勤めているところは老人保健施設で、隣接して特別養護老人ホームと有料老人ホームがあります。
福岡場所の際は車で７～８分ほどの近いところにとある相撲部屋がやってきます。
去年の暮れ、そこの力士の方々と行司さんが慰問に来てくださいました。

皆さんさほど有名な方ではありません。お相撲さんたちはまだしも、行司さんにいたってはスーツ姿で、名乗ってくれなければ誰だかわからないような感じでした。

でもご利用者さんたちの喜びようは、びっくりするくらいでした。
認知が進んで、話も出来ない、家族が来ても誰だか分からないようなおばあちゃんが「あぁ～っ」と声を上げ、
うれしそうに手を伸ばして握手してもらい、満面の笑顔だった事。
普段は無表情で、こちらからあれこれ声をかけてもいつもぶすっとした表情のおじいちゃんが涙を流して喜んでいた事。いつもだったらボランティアさんの慰問などには出てこないような方が居室から出てこられ、お相撲さんたちとの握手に「ありがたい」「力を貰った」「強くなった気がする」と、とても喜んでおられました。

私はそのとき初めて、お相撲さんたちの神々しい力を見た気がしました。
あなた方が勝ち負けに拘る事は仕方ないと思います。応援してくれる人が居れば居るほどプレッシャーもあるでしょう。生活が掛っていますもの、無理は無いと思います。
でもお願いですから人様から疑いの目を向けられるような事は、これっきりにしていただきたいのです。

場所場所、毎日テレビの前に張り付いてお相撲を見ているお年寄りがたくさん居ます。多分、野球やサッカーと違い短時間で勝負が決まり、次々と人が入れ替わるのが（かなり認知症が進んだ方でも）楽しめるんだと思います。認知が進んだ方は、不思議と夕方から不穏が始まります。でも場所中はTVに熱中しているせいか、不穏になる方が少ないのです。これは私たち現場で働く介護職にとってもとても助かっています。

そう、どれだけたくさんの人たちがあなた方に救われているか・・・・

だから、こんなことにへこたれず頑張ってください。
微力ですが陰ながら応援いたしております。